怖かったですね。
 
 
 

みなさまご無事でしょうか。
 
 
 
 
節電をとのことでご報告が遅くなりましたが
 
わたしは家族ともどもみんな無事です。
 
 
 

でも、人生で一番怖い思いをしました。

揺れよりも、家族の安否が一番の恐怖でした。
 
 
 
 
わたしはオフィスにいました。

高層タワーの28階のデスクでPCに向かっていました。

15時前になって地上へ下り買物をしようとお財布を手にした時

忘れていた業務を思い出し、一度立ちかけたものの再びPCへ
 
 
 

その直後のできごとでした。
 
(そのままエレベーターに乗らなくてほんとうによかった。)
 
 
 

お財布を手に持ったままデスクの下へ

今まで経験したことのない強く長い揺れの中
 
家族の安全を願い泣けてしまいました。

わたしは安全なオフィスにいましたが、父や主人は車で動く仕事

専業主婦の母や姉は…今、どこにいるだろう。
 
 
 

そして、きっとめちゃめちゃになっているであろう家に閉じ込められたままの

なにも理解できないベガは…
 
 
 
 
揺れがおさまりまっさきに携帯へ手をのばし主人へ電話
 
当たり前のようにつながらない。
 
 
 

なんどもメールを送信し続け、比較的早く主人が無事であることを確認

その後は両親姉などへ主人とわたしの安全を知らせるメールを一斉送信

母から連絡があり、おば共々無事とのこと

続いて父からも無事の連絡
 
 
 

でも、姉と姉の旦那さんからは なんの連絡もない

必死で姉と義理兄へなんどもなんども電話しましたがつながらず
 
そのうちまた母からメール
 
 
 
 
「お父さんがおねえちゃんの元へ向かっています。」
 
 
 
 
なにかあったのだろうかと、いてもたってもいられず

館内放送やサイレンがけたたましく鳴り響き
 
たびたび起こる余震におびえながらもネットで現状確認
 
 
 

国内最大級
 
マグニチュード8.8という今までに聞いたことのない数値(この後9.0へ修正)

オフィスの窓から見えるお台場や千葉の石油コンビナートの大炎上…
 
 
 

地上では間違いなく恐ろしいことが起こっている。
 
 
 

終日エレベーターの運転復旧の見込みがないとの放送で

28階に宙ぶらりんのまま頼りになるのはネットのみ
 
 
 

そんな中、父から姉も義理兄も
 
そしてめいっこも無事との連絡があり、まずはひと安心
 
 
 
 
主人は仕事先の営業所の中にいて運転中ではなかったとのこと

父は帰ろうと駐車場で車に乗り込む寸前だったとのこと

母とおばは高尾山で登山をした帰りで
 
自宅にほど近い駅ふきんで電車に閉じ込められたとのこと

(登山中でなくてほんとうによかった!)
 
 
 

姉は自宅にいたのですが
 
インフルエンザにかかってしまっためいっこを病院に連れて行こうとしていた矢先で
 
地震がおさまってから行ったそうなのですが、いくつもの病院で断られたとのこと

(インフルエンザはかわいそうだけれど、そのお陰でママといっしょにいられてよかった。)
 
 
 
 

義理兄は、会社から自宅へ帰るのに歩いて、待って
 
バスを乗りつぎ、ようやく動いた電車を乗りつぎ…

自宅に着いたのは会社を出発してから実に7時間後だったとのこと
 
 
 
 
おのおの、いろいろな幸運と困難に出遭いながら無事家路に着きました。
 
 
 
 
わたしは、オフィスと自宅が近いので
 
歩いて帰れないこともない距離。(たぶん5~6㎞くらい)

でも、まだ余震が続くなか
 
状況もわからないのに容易に外へは出られない。
 
 
 

主人から「車で迎えに行くので絶対会社の中にいて」と言われ

最低限の業務をしながら
 
常備してあったお菓子などを食べて万一のために体力温存

非常食として会社から缶詰とクラッカーも配布されました。
 
 
 
 

通常、車で1時間ほどの距離なのに
 
主人がわたしのオフィスについたのは4時間後
 
すっかり夜でした。
 
 
 

わたしと同じ地区に住む会社のおともだちを乗せ、やっと家路へ

もう自宅は目の前なのに、なかなか進まず更に1時間

おともだちを送りとどけた後、もうご飯を作る気力もないのでコンビニへ
 
 
 

ほとんど空の棚からなけなしの食品を手にして
 
やっと自宅へ着いた頃には日付が変わっていました。

マンションのエレベーターも動いていて、ひびひとつなく
 
なにごともなかったかのように静かな夜でした。
 
 
 

家の中はどうなっているだろう…
 
そしてそんな中、なかなか帰ってこない主を待つベガは
 
 
 
 
「ベガー!ベガー!」と呼びながらリビングのドアを開けると
 
今まで見たこともない顔でとびだしてくるベガ

いつもリビングの入口でぐるぐる言いながらお出迎えをしてくれるベガは
 
血相を変えて寝室へととびこみました。
 
 
 

人間は理解しある程度対応できますが
 
なにもわからない動物の恐怖は想像もできません。

すっかり地震恐怖症となったベガは余震がある度にあわてて隠れてしまいます。

よほどおっかなかったのでしょうが、ケガもしていないようでまずはひと安心
 
 
 
 
リビングは…
 
どろうぼうが入った後のようでした。
 
 
 

さいわい物が落ちたりなにかが壊れたりはなかったのですが
 
引出しという引出しが全部とびだしていて

どうやって動いたのだろうというくらい重い家具や冷蔵庫の位置が変わっていました。
 
それらを片付けてベガにご飯をあげ
 
ようやく主人がシャワーを浴びようとしたらお湯がでない。
 
 
 

もしや…
 
 
 
 
ガスコンロの火もつかない

二人であわててガスの説明書やネットを開いている時
 
ちょうど通りかかった(?)ガス屋さんが家のチャイムを鳴らしてくれました。
 
 
 

無事ガスも出て、主人そしてわたしもシャワーを浴び

ご飯の用意をして「お疲れさま」とくたびれた体に
 
ビールを流し込んだ時にはもう2時近かったのでした。
 
 
 
 
翌日、主人と神棚へお礼をし、改めてみんなと連絡をとり
 
青森仙台茨城に住む親せきの無事も確認でき
 
日常生活を取りもどしつつ主人といつも行くショッピングモールへ
 
 
 

懐中電灯もインスタント食品もパンもお菓子も水もほとんど空でした。

いくつかのテナントは臨時休業しており
 
いつものぞくペットショップのウィンドウはぜんぶ空

奥からふあんげに鳴き続ける犬の声
 
 
 

でも、わたしたちは最小限の被害で済みました。
 
 
 
 
わたしが恐怖にふるえている時

オフィスで動画を撮る人
 
怒られるまでデスクの下へもぐらない人
 
激しく揺れるなかわたしに仕事の話をしてくる人

不謹慎な笑い声
 
就業後とはいえ夜通しを覚悟しデスクで酒盛りをして顔が真っ赤な人たち…
 
 
 

たくさんの悲しい人たちも見ました。
 
 
 

でも、そんな中「ああ、こういう時こそ助け合いだなあ」と
 
思えるすてきな人たちもいました。
 
 
 

揺れがおさまった後もデスクの下で固まったまま動けないわたしに
 
「もうだいじょうぶですよ」と声をかけてくれた隣の男性

まだ激しい余震が続くなか「もし歩いて帰る時はいっしょに行こうね。」と遠くの席からきてくれたおともだち

やっとの思いで地上へ下り、ほとんど空っぽのコンビニから買ってきたお菓子をゆずってくれたおともだち
 
 
 

そして、まっさきににわたしの元へと車で向かってくれた主人
 
少しでも早く着くために
 
混んだ道をさけ、裏道をひたすら根気強くすすんだそうです。
 
 
 
 
みんなみんなありがとうございました。

みなさん本当にお疲れ様でした。

そして、被害に遭われた方には心からお見舞い申し上げます。
 
 
 
 
二度とこんな思いはしたくないですが、そこはさけられない天災

この度の貴重な体験を今後に生かしたいと思います。
 
 
 
 
節電と言いつつとても長いご報告となってしまいましたが

最後まで読んでいただきありがとうございます。

まだ輪番停電が回避されないとのことですので
 
しばらく更新は様子をみようと思います。
 
 
 

余震も続くようですので、みなさまどうかお気をつけて
 
一日も早く日常を取りもどし
 
一人でも多くの方が助けられることを今はただただ祈ります。