6月12日に

天の川を渡ったベガの記録




〜腎不全ベガの場合〜
17歳マンチカン♀




前回はこちら





急いでお風呂から上がると

ベガはちゃんと待っていてくれました

ホッ

主人がずっと見ててくれました




20時半ころ

居心地が悪そうだったので

枕があった方がよさそうでした

そうだ、手下




長年の相棒、手下さん
20160119




「手下」はそもそも

にゃんこ用の枕なのです

ベガはアゴを置いて寝る習慣はなかったので

もっぱらおもちゃだったのですが




ここにきて、十数年経って

初めてのお役目

頭が持ち上がった状態となり

ああ、もっと早く気づいていれば…




落ち着いていたので

この間に人間も食事をとることに

主人が、食卓からもベガが見えるように

少しソファをずらしてくれました




21時過ぎ、「いただきます」

すぐにベガの話をし出しました

今日一日のこと

明日はこうしようなど




夢中になりかけたとき

「あ、いけないいけない

ちゃんとベガのことを見ていないと」

ベガを見ると、こちらを見て

大きく口を開けていました




え…




もう頭を上げる元気なんてないはずなのに

はっきりとわたしの目を見つめて

今まで見たことのないくらい

大きな口を開けて鳴いていました




(なー!)みたいな感じ

そう、鳴いているのですが声が出ていないんです

ベガはサイレントニャーをしない子だったので




それがサイレントニャーだったのか

声を出したくても出なかったのか

キッチンの換気扇とテレビがついていたので

聞こえなかったのかはわかりませんが




ねこさんが

なにか飼い主に訴えかけるとき

ちょっと険しい顔をして

「にゃー!」と鳴く感じ




わたしはすぐ駆けつけなくてはいけなかったのに

足がすくんでしまい

一瞬たじろいでしまいました

わたしよりも先にベガに近づいた主人が




「鳴いてる声出てる」と言うか否や

今度はえずき出したので

主人に「下を向かせて!」と言い

わたしは急いで背中をさすりました




昼間と同じ

出るものなんてないので

なにを吐くわけでもなく

落ち着いたので

再び手下の上に頭を置きました




ベガの顔を見ると

「カッ」と目を見開いたまま…

主人が「あ、だめだ…」と言いましたが

まだ微かに呼吸があったので




聞こえるかも知れないと思い

わたしは、大きな声で叫びました




「ありがとう」

「楽しかったよ」

「がんばったね」

「愛してるよ」




今となっては、なんと言ったのか

覚えていないのですが

翌日にメモした

「ベガ記録」にはそう書いてありました




2006年7月7日に生まれた織姫星は

17年後の6月12日夜9時半

再び夜空へと帰っていきました
20060825




そのときが来たら「時間を確認しよう」

なんて考えていたわけではないですが

パッと時計が目に入り

主人に「9時半と記録しようね」と伝えました




この世のおわりのように悲しむ反面

なにがあっても

どこかにいる冷静なわたしは

ホッともしていました




はじめてのわが子を最後まで

見届けることができたこと

「安らかに…」とは言えないけれど

苦しまずに済んだこと




なにより




病院でもなく

主人が帰ってくる前でもなく

わたしがお風呂に入っているときでもなく

寝ている間に…でもなく




17年間、みんなで過ごしたリビングで

家族が揃っているときに

ベガがだいすきだった

食事の時間に看取れたこと




これは、にゃんこあるあるなのですが

ベガも例に漏れず

人間が食事をし出すと

即うんちをする子でした




主人と「こんなときまで…」

と失笑してしまいました

もう少し後にしてくれればいいのに

乾杯して5分も経ってないのに




きっと、人間が食事をし出さなければ

もう少し生きたのだと思います

わたしたちがその場を離れたものだから

最後の渾身の力で呼び寄せ

それで力を使い果たしてしまったのでしょう




すっかり呼吸のなくなったベガを

お気に入りの場所だった

ソファのまんなかへ移動させました

そこには、ベガもすきだったタオルケット




※イメージ図
20111004




温もりがなくなる前に…

とは言っても、もうずっと低体温だったので

すでに体は冷たかったのですが

たくさんさすったりキスをしたり




でも、調べたわけではないのですが

直前に偶然知った




「死後30分から硬直が始まり

2時間で完全に固まるので

無理に動かすと遺体が損傷する」

が頭をかすめ




30分なんて、2時間なんて

まだまだたっぷり時間あるのに

妙に焦ってしまって

抱っこするのを忘れていました




ベガは抱っこきらいな子だったので

1分と抱っこさせてもらえず

喉はぐるぐる鳴らしているのに

ぴょんっと腕から逃げてしまうのです




だから、最初で最後

ゆっくり抱っこするチャンスだったのに

早々に体を拭き始めてしまいました

あーあ、最後まで後悔だらけ




おわっちゃった楽しかった17年間




〜きょうの一枚〜2023.4.3
20230403
今年の主人の誕生日&結婚記念日

ベガは、わたしたちが結婚した年に生まれ
わがやにやってきました 

そこから17年間
わたしたち夫婦の歴史に必ずいたベガ

わたしは、この席から
ベガの最期の叫びを見ました




初回はこちら





次回はこちら





↓応援クリックよろしくおにゃがいします↓
にほんブログ村 ライフスタイルブログ シンプルライフへ
にほんブログ村

ありがとうごにゃいます🐾